上顎が小さく、前歯が一本交差している症例 ②
それでは実際の治療計画です。(前回のブログはこちら)
現状を整理すると、
顔の大きさ≧歯の大きさ>下顎の大きさ>上顎の大きさ
なので、基本的には上下の顎の大きさを歯の大きさまで拡大できるのが理想なのですが、成人矯正では顎の大きさを成長させることは難しく、外科的なオペでは負担が大きいため、
顔の大きさ≧歯の大きさ=下顎の大きさ=上顎の大きさ
というように上顎の大きさに合わせるカタチ(理想的にですが。)で進めていきます。
本来「噛む」という機能的なことを考えると28本ないし、親知らずも含めた32本で噛みあうことが理想なのですが、現在の美的感覚では顎は小さい寄りの方が理想に近い傾向にあり、その点では小さい顎に合わせていくという治療方針は正解ではないものの、受け入れやすいものなのかと考えます。
今回はそれに合わせて上顎は5番目、下顎は4番目の歯を抜歯し、下は前歯を下げることを優先し、上顎は交差の改善と並びを優先して治療を行っていきます。