インビザラインによる上下部分矯正 ②
では細かい問題点とそれに対する治療法の良い点悪い点を挙げていきます。
今回のスタッフの主訴は「下の前歯の歯並びが気になる」
問題点は
①上の前歯が少し出ている+傾斜
②下の前歯が混雑
③噛み合わせが深い(噛んだ時に下の歯が隠れる)
④上顎の前歯がセラミック
⑤顔つきが面長寄り
この中で一番難しい問題が「③噛み合わせの深さ」+「⑤顔つき」です。
面長と表現するとマイナスに聞こえますが、いわゆるモデル顔というか、海外のセレブ顔というか、、笑
こういうタイプの顔つきの方は、下顎がしっかりしてるけど、歯の並ぶスペースは小さく、顔の中に下顎が収納されているといった感じでしょうか。
実際、このように下の歯が上の歯に隠れるように噛み合わさっているため、下手に噛み合わせのみを考え、正常のかみ合わせ(下の歯が1~2mm程度隠れる状態)にしてしまうと、下顎がくっきり目立ち、結果的に見た目が損なわれてしまうことがあります。
(歯並びを治すうえで、仕方ないところもありますが)
そのため極力噛み合わせの深さを改善したくないが、そうなると矯正器具をつけるスペースが足りない
+
上の歯がセラミックのため器具が非常に外れやすい
という2点に加え、
下顎の親知らずを抜歯し、奥歯をそのスペースに移動させて②下の前歯の混雑を解消する予定なのですが、インビザラインがある種唯一ワイヤーに比べてこの点では得意分野、
という3点を考慮して、インビザラインでの治療を選択しています。
ただし、インビザラインの欠点でもある患者さま自身がしっかりマウスピースを使っていただくことが必須条件になり、かつ、今回は14ステージでの治療になるため完全な治療が行えない可能性もあります。(その点は次回で)