ワイヤーとマウスピース矯正の併用症例 ①
今回はマウスピースとワイヤーの併用症例です。
マウスピース矯正は手軽で異物感も少なく、完成までのシミュレーションが可能な非常に優れた治療法なのですが、問題点もあり、
①シミュレーション通りに進まない(歯の動きが予想と違うことが多い)
②動きが遅い
この2点が特におススメしにくいポイントです。
そこでワイヤーとマウスピースの良いとこ取りをしましょう、というのが今回の治療計画です。
その内容は動きの活発な序盤(前歯の改善)をワイヤーで進めて、細かい調整をマウスピースで行う。というものです。
歯の移動は起こりやすいもの、起こりにくいものがあり、「引っ張り上げる」「傾斜を治す」等は比較的動きやすく、「沈み込ませる」「平行に移動させる」ものは動きにくいといわれています。
前歯の混雑は傾斜や回転がメインで、比較的早く治せることが多いため、1回につき、動きの良し悪しにかかわらず一定しか動かすことが出来ないインビザラインよりもワイヤーの方が治療期間が短く済み、またインビザラインは奥歯から動かすことが多いので前歯が並ぶのが遅くなり見た目の改善が遅れてしまう可能性があるため、最初の半年~1年ほどをワイヤーで進めることで治療期間を3割ほど短くすることが可能になります。
それに加えて、インビザラインの欠点である治療の確実性という部分もワイヤーで動きの半分ほどを済ませてしまうことである程度解消することができます。
「動きやすい序盤はワイヤーでガンガン歯並び綺麗にして、動きの遅い(分かりにくい)後半は異物感の少ないマウスピースでじっくりいましょう」
ということです。
欠点は①二つの装置に慣れないといけない のと ②費用が余分にかかる 点です。
では実際の治療です。