中学生 出っ歯+ディープバイト症例
今回は13歳の女の子です。
以前働いていたときによく患者さんに質問されたことの一つに、
「子供の矯正をいつ始めるべきか」
というものがありました。
早ければ早いほどコントロールしやすいという面では良いのですが、並べるのは当然「永久歯」になるため、一般的には永久歯の生えそろう10~12歳くらいが適当と言われています。
それ以前の時期に明らかに将来歯並びが悪くなる子供に顎の成長を促したり抑制することを小児矯正(1期治療)といいます。
中には顎の成長で治療が不必要になる子もいますが、だいたいその後は歯列矯正治療に移ることが多く、いわゆる2期治療は成人矯正と変わらないため、上記のとおり「明らかに歯並びが悪くなる子」以外は10歳くらいになって永久歯が生え揃ってからのスタートとなります。
「小児」と聞くと中学生くらいまでを思い浮かべるため、中学生の矯正治療を「小児矯正」と思っている方も多いと思いますが、永久歯が生え揃ってしまえばやることは成人矯正と一緒です。
前置きが長くなりましたが、13歳中学一年生の女の子。
上の前歯が出ていて、見た目が気になるのと口が閉じにくいことが主訴です。
正面写真のとおり、上の前歯が下の前歯をほぼ覆い隠しており、かつ下の前歯は右に寄ってしまっています。
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左右の写真では上の前歯が出ていることが顕著に分かります。
また見えづらいのですが上下共に隙間があり、特に上の歯は噛み合わせの深さが原因で、下の歯が上の歯を突き上げられており、これも上の前歯が出る原因となっています。
最初の治療はまず右下の5番目の歯が内側に倒れてしまっているので(下の前歯が右に寄っている原因)、先に噛み合わせを挙げる+右下5番目の歯を歯列に入れてあげることを目標にします。
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とりあえず下のみ器具を付けて、1ヶ月ほど掛けて噛み合わせを挙げていきます。